この度、よこて発酵文化研究所と横手市の主催による、「食と農」フォーラムin横手を開催いたしました。
当日は地産地消活動であるチーム・プラスY活動の優良事例表彰式や、当研究所顧問でもある、東京農業大学名誉教授小泉武夫先生による記念講演会、秋田大学産学連携推進機構准教授小川竜二郎先生をお迎えしたパネルディスカッションが開催されました。
また、隣の会場では、よこて発酵文化研究所会員の商品を始めとした横手市の新商品の展示等も行われました。
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雪国の食文化は一重に発酵文化である。
冬にも緑の野菜やビタミンを取らなければならない。ビタミンを取らないと脚気になったりいろんな病気になったりする。発酵食品はビタミンの宝庫。例えば納豆。煮た大豆と納豆を比べたとき、ビタミンB2だと10倍、アミノ酸だと80倍というとんでもない量になる。また発酵食品は、機能性があり、人間にとってよい免疫などの成分もある。発酵微生物は人間の為になどとは考えていない。どうして微生物は発酵食品の中にビタミンなどの栄養成分を作ってくれるのか。それは、栄養源を作ってあげなければ微生物の子孫が増えていけないからである。納豆菌はビタミンを子供の為に作っているが、それを私達人間がいただいている。このように発酵食品はとっても栄養が高い。
先ほど、雪国の文化は発酵食品の文化であるといった理由は2つ。
一つは、冬は青物が取れないので、ビタミン補給の為に発酵が良いということ。
もう一つは保存。保存には4つの方法があるが、発酵すると長持ちする。例えば、牛乳があって、置いておくとぷーんと臭いがする。それを食べると食中毒になる。しかし、乳酸菌を入れてチーズにしたり、ヨーグルトにすると長持ちする。17年前トルコに行ったとき、170年前のチーズに出会った事もある。この様に、長く保存できるのである。
あけびの熟れずしも秋田県における世界でも珍しい食べ物。これを食べると一日のビタミン補給源にもなる。分析してみるとご飯1gの中に乳酸菌が98,000,000個いた。整腸作用がある。体のコントロールもでき免疫も高くなる。雪国の発酵文化は、その昔交通が整っていなかったからこそ、こういう知識が出てきたと思う。
雪国の発酵食品の役割はビタミン補給と保存の二つになる。
冬の雪の深いところの文化は世界の色んな所にある。
一つは半年以上氷に閉ざされた所。アラスカのイヌイットの人たちの冬の有名な食べ物でキャビャックというものがある。これを分析すると、ビタミンが全部入っていた。イヌイットの人達はキャビャックというのを肉に付けて食べたりしている。
秋田県の横手にあるいぶりがっこも珍しい漬物である。漬物に関する書籍も出しているが、いぶりがっこは横手にしかない。
よく似ているのに石川県能登半島にあるベン漬けがある。古漬けにしただいこんに、発酵した魚醤、いしるを塗り、そこから火であぶって食べるという不思議な食べ物である。あぶって食べるが石川県。いぶして食べるのが秋田県。いぶして食べるのは珍しい。冬の雪国の食べ物、雪国というのはそういう性格を多分に持っている。
この他、アイヌが作っているオントーレカップレ。ユリの根を発酵させて食べるやつ。ならづけ。えっと思う人がいるかもしれないが、これは冬に食べるどんぐりの実の発酵食品。ご飯に付けてなめ味噌にしたり野菜につけたり、せんべいにつけたりして食べる。
菜の花漬、ねどち、すんきもある。
寒い所、雪国には独特の食の文化がある、その背景にあるのがまさに発酵文化である。
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- コーディネーター
まずは、自己紹介と各団体の取組みのご紹介をお願いします。
- 秋田大学
オフィシャルいぶりがっこイブリバディについて。
これを作るきっかけとなったのは、横手市と連携協定を締結しており、横手市に横手分校ができたのがきっかけ。
地域との交流を深める事、地域貢献、特産品開発研究の学術的アプローチを学生の視点を取り入れながら実施することを目的としてやることになった。
この商品は大学生ならではの考えが詰まった商品である。いぶりばでぃの名前も学生で考えた。ごんじりタイプも作った。パッケージにイラストも入れ明るいイメージにした。
他のいぶりがっことの差別化を行った。反響が楽しみである。- 清陵高校
地域の活性化、食の安全、郷土料理の継承をテーマに研究活動を行ってきた。一期生の先輩は地産地消をテーマにアスパラガ スパウダーをつくりアスパラ饅頭の開発などをした。
私達は身近にできる地域の活性化を目指し、地域に向けた家庭クラブインフォメーションや横手さわやかネットをたちあげ、地域のネットワークの組織化にも取り組んでいる。
今年、私達はチーム・プラスYの第一号の会員となり、「横手のうめぇもんを作って横手に革命を起こします!」と宣言し横手の新名物を作る目標を掲げた。
市役所、洋菓子店の人に協力をいただき、シシリアンルージュを使ったマカロン、ルージュデマカロンを作った。
先輩方と同じように市内で販売できるよう頑張っていきたいです。- 田沢湖ビール
田沢湖ビールはわらび座を中心とした複合エリアを作る一つのアイテムとして創設された。秋田の食の文化を発信する意味で13年前にできた。本物の地ビールを作るために国産にこだわった素材を使うという目的のもとに、秋田県立大学の協力のもと、地ビール惠を開発した。秋田県内でも2万本を出荷している。とても飲みやすくできており、六条麦と二条麦を使った2タイプがある。
よこて発酵文化研究所
今年度は、甘酒は夏の飲み物であったという小泉先生のお話をもとに、ビタミン、ミネラルが多く含まれるという特色を活かし、甘酒発酵プロジェクトを立ち上げた。横手市内どこに行っても甘酒が飲める体制を整備したいという考えのもと、研究所の調理開発部会が中心となって、勉強会等を開いた。
また、研究所では、甘酒で仕込んだいぶりがっこを作ったりもしている。
また、醤(ひしお)づくりもしている。コンセプトは、地元のおいしい料理に合う素材を生かす化学調味料を使わない調味料という事で開発した。
谷所長から貴醸醤(きじょうひしお)というネーミングをいただいた。
この他、韓国との交流や、福島での全国発酵のまちづくりシンポジウムへの参加等も雰囲気が高まっている。- コーディネーター
いぶりがっこをいぶりばでぃでうるという発想は中々若い人でないと出てこない。
農作業も初めて体験し、苦労を重ねいぶりがっこを500円で売っている。
食べてみてどうだったか?- 秋田大学
樽開けした時おいしいと聞いたが、実際食べるとおいしかった。
今まで、いぶりがっこを家のテーブルにあっても好んで食べる事がなかったが、こんなにおいしかったんだという発見もあった。
自分達が作ったのはいい色でできたので、いい意味で、いぶりがっこの印象が変わった。コーディネーター
自分達でこんなにも苦労して作った漬物を値段なしで買うとすればいくらで買いますか?
まさか、こんなに苦労した商品が簡単な値段で買える事自体が我々には、全然理解されていない。そこで、出てくるのがまさに付加価値がある。これが安いのか高いのかという根底にどれだけ苦労したのかをわかってもらえれば、500円であっても安いという気持ちになると思うがどうか。- 秋田大学
この取組みに参加するまでは、500円600円だよというと、『そうか・・・』という感じだったが、手間隙かけて作った商品を見ると、『500円だとお金を出す!』という気持ちになる。
コーディネーター
秋田大学には約6,000人の人がいる。今後の取組みとして、この価値を教えていくこともブランド作りになると思うので頑張って欲しい。
清陵高校さんの家庭クラブは色んな取組みをされている。シシリアンルージュをマカロンにしようとしたきっかけは何か?- 横手清陵高校
横手市のマーケティング推進課を訪問した際に、シシリアンルージュは調理に向いているという事を教えていただいて、それをどう利用していくかということをみんなで話し合って、手軽だけど今までにないものというものを考え、手で持って食べられるという事で、マカロンという結論に至った。
- コーディネーター
いままでのマカロンと違って、地元の商品を使ったマカロンというのは、新しい発想で今までの分野のものとは違うものを作ったということですね。
どういった人達に食べて欲しいか、またどういった課題を解決していきたいか。- 横手清陵学院高校
マカロンは繊細なお菓子だということを教えていただいたので、作業工程を見直し、おいしくできるように実験を重ねていきたいと思います。また、マカロンは日本ではあまり浸透していないお菓子かと思うので、色んな人に手軽に食べてもらえるように開発を続けて行きたいです。
- コーディネーター
田沢湖ビールさんにおいて、苦労した点等があれば。
- 田沢湖ビール
麦をつくるノウハウ等については、県立大と協力する事により品種等の選抜等スムーズにいった。また、大潟村は気候的にも安定していることもあり、麦の収穫も6月の梅雨の時期であったが、何事もなく収穫できた。収穫した麦もよいものであった。但し、一番最初に取り組んだものは休眠していた為に、モルト化に苦労した。その為、1週間発売日がずれた事もあった。
去年からは、順調にいっている。- コーディネーター
今回のテーマは、若い力で生み出せオリジナル地域ブランド商品となっているが、消費者の視点にたった商品づくりが必要になってくると思うが、横手におけるブランドとは何かについてご意見をいただきたい。
- コメンテーター
ブランドの定義はたった一つ。うまくないといけない。それだけではないかと思う。ビールを飲んでも、マカロンを食べても、いぶりがっこを食べてもである。B-1や、もしA-1があったとしても、うまいからこそブランドになる。他のものと差別化できるほどおいしいという事が基本条件になる。私はそのようにすごく簡単に考えている。
- コーディネーター
商品を口に運ばせるまでが難しいと言われるが、人が商品を買うまでは、視覚⇒聴覚⇒味覚というように聞いた事があるが、それはどのようにすれば良いか。
- コメンテーター
食べてもらうのが一番良い。その為には、食べた人から発信してもらうということもある。
売れる商品には共通点がある。履歴現象。おいしいと思うと脳にやきつけられブランドになる。食べてもらう事で、頭にすり込む事が重要。
横手やきそばについても、B-1で優勝といっても、味はA-1である。- コーディネーター
若い人が地元のものにもう一アクセントを付けて調理するとすればどうなるか。
いぶりばでぃも使い勝手の良い漬物という事で売り出せばまた付加価値がつくのではないか。来年に向けた話も含めいかがか。- 秋田大学
販売をするという事を考えたときに、一本のタイプとごんじりタイプを出したが、学生の中からは色んなアイデアが出た。これについては、3年生に引き継いで頑張って欲しいと思う。
- コーディネーター
是非継続的に取り組んでいって欲しいと思う。
時間となったので、最後に小泉先生より総括をいただきたい。- コメンテーター
色んな話を聞いてきたが、いぶりばでぃについてはすばらしい名前だと思う。横手清陵学院高校については、発酵という要素を組み合わせても良いと思う。次の学年に伝承していく事も重要である。
田沢湖ビールさんについては、販売数を25,000本から50,000本にするというので、美味しいと思う。地元の食べ物との一体感も必要。環境に配慮し資源をサイクルさせていくのも面白いと思う。
よこて発酵文化研究所については、琉球大学との連携ということと、醤(ひしお)の新しいバージョンを是非作っていただきたい。- コーディネーター
今回が第1回という事であったが継続してこのような取組みをやっていっていただけると市全体が盛り上がってくると思う。ありがとうございました。
















